【初心者でもわかる】業界別LTVの計算からCPAまで。基本指標と活用方法を解説

Web広告指標

ネット広告初心者が抑えておきたいLTVやCPA。この記事では業界別LTVの計算方法から、CPA・許容CPAを活用する方法まで事例を交えて丁寧に解説します。
Webマーケティングで売上利益を最大化させていくには、LTVを最大化させ、CPAを最小化が効果的です。この記事では業界別LTVの計算方法から実践例まで丁寧に解説していきます。

こんな方にオススメです。

  • LTV、CPAはわからない
  • LTV計算方法に不安がある
  • LTV、CPAは聞いたことはあるけど、実際に利用したことはない
  • LTV運用のメリット、デメリットを知りたい

マーケティング施策の重要指標はLTV

まずはLTVについて説明します。LTVとは「Life Time Value(ライフタイムバリュー)」の頭文字を取った略語です。日本語では「顧客生涯価値」と呼ばれています。端的にいうと「顧客ひとりあたりが通算でもたらす収益」のことです。

生涯とありますが、一生涯という意味ではありません。期間は事業規模や会社方針で定義は様々、一般的には目標とする収益回収期間を設定します。半年・12ヶ月・24ヶ月の期間が多いようです。

LTVは期間で変わる

LTVを意識するだけで投資余力がアップ

LTVの基本的な考え方は継続購入が前提になっています。顧客は気に入れば継続し、複数回サービスを購入してくれます。例えばある洗顔について、肌質にあったりしたとき、同じ商品を再購入することがありますよね。この定期的に購入される前提で計算する方法がLTVです。

さて、洗顔販売の2パターンを比較してみましょう。1回だけ購入した初回購入は1,000円とします。当
然リピート購入もあるので、半年間で6,000円販売されたとします。

初回購入は1,000円、継続購入の総額は6,000円です。後者の方が総額が大きくなり、企業にとっては嬉しいですよね。新規購入だけで判断するか、継続購入まで含めて判断するか、後者はLTV視点での判断です。

LTV比較表

LTVを決める3つの要素

LTVを構成する3つの要素

LTVはシンプルに計算すれば、以下の計算式になります。

LTV=総売上※÷購入者数 ※ここではわかりやすく売上を指標にします

例えば、下の図のように購入者5名の総売上10万円の場合は一人あたりLTVは2万円という計算ですね。「顧客1名を獲得すれば、2万円は売上が立つ!」と考えるわけです。

LTVの期間とは?

さて、総売上とありましたが、総売上とは「いつ」から「いつ」まででしょうか?
答えは「期間設定は自由」です。ここは会社ルールや商品サイクルによって変わってきます。

例えば、健康食品系で長期利用が期待できるケースなら12ヶ月、ゲーム系など嗜好性サービスだと3ヶ月~6ヶ月、住宅ローンや銀行口座開設など乗り換えに手間がかかる場合は24ヶ月~など取り扱う商品によって変わります。

先程のLTV計算式に期間を入れてみましょう。そうすると、

LTV=(計測したい期間の)総売上÷(計測したい期間の)購入者数

例えば、1月購入した人の3ヶ月・6ヶ月・12ヶ月LTVを計算してみましょう。

1月購入者10名

  • 3ヶ月総売上10万円:10万÷10名=LTV1万円
  • 6ヶ月総売上20万円:20万÷10名=LTV2万円
  • 12ヶ月総売上50万円:50万÷10名=LTV5万円

このように計算していきます。当然、期間が長くなればLTVは大きくなります。

「顧客1名獲得すれば、1年間で5万円の売上が期待できる」という計算をして、広告宣伝費の投資額を決定していきます。

総売上を分解して考える

ここまでは基本的なLTVの考え方でした。改めてLTVの計算式です。
LTV=総売上※÷購入者数

ここからは総売上を分解してみましょう。

さて、総売上とは何でしょう?

売上=(期間内)で売れた商品数量×商品単価、(期間内)の購入者数×客単価

で計算できます。今回は後者を因数分解した図をご用意しました。

総売上=(計測したい期間の)購入回数 (平均購入回数) ×1回当たりの購入点数(平均購入点数)×1回あたりの購入単価(平均単価)

よくネットで「LTV 計算」と調べたら、「LTV=平均単価×平均期間×平均購買回数」と出てきます。
LTVは長期期間計測することになるので、一定期間内の平均値を用いることが多いのです。

LTVを決める3つの要素のまとめ

  • LTV=(計測したい期間の)総売上÷(計測したい期間の)購入者数
  • LTV=(計測したい期間の)購入回数(平均購入回数)×1回当たりの購入点数(平均購入点数)×1回あたりの商品単価(平均単価)÷(計測したい期間の)購入者数

    これがLTVの基本的な計算式になります。 

業界別LTVの使い方、計算方法

ここからはより具体的にイメージするために業界別にLTV活用方法をみていきましょう。
3つのケースをご紹介します。

ケース1:定額サービス(携帯電話)

実際の携帯電話の契約はプランなどで複雑なため、シンプルに計算できるように諸条件は省いています。

携帯利用者3名、LTV計算期間は12ヶ月、携帯月額料金は5,000円(※端末代は除く)

  • Aさん:利用期間12ヶ月(5,000×12=6万円)
  • Bさん:利用期間6ヶ月(5,000×6=3万円)
  • Cさん:利用期間3ヶ月(5,000×3=1.5万円)

3名合計の売上は合計105,000円、一人あたりのLTVは3.5万円になります。
非常にシンプルでわかりやすいですね。

ケース2:ECサービス

EC利用者3名、LTV計算期間は12ヶ月、EC購入に応じて発生する関連費用は除く(手数料、発送料など)

  • Aさん:利用期間12ヶ月(購入頻度は毎月1回、毎月購入金額は固定)
  • Bさん:利用期間6ヶ月(購入頻度は毎月1回、毎月購入金額は変動)
  • Cさん:利用期間3ヶ月(購入頻度は不定期、毎月購入金額は変動)

3名合計の売上は合計77,300円、一人あたりのLTVは25,767円になります。

スマホゲーム(基本無料、一部課金)

スマホゲーム利用者3名、LTV計算期間は12ヶ月、ゲーム課金に際して発生する関連費用は除く(手数料)

  • Aさん:利用期間12ヶ月(課金頻度は毎月1回、課金購入金額は固定)
  • Bさん:利用期間6ヶ月(購入頻度は不定期、毎月購入金額は変動)
  • Cさん:利用期間12ヶ月(購入はなし。無課金ユーザー)

3名合計の売上は合計270,500円、一人あたりのLTVは90,167円になります。

CPAとは?許容CPAとの違い

CPA=目標アクション1件あたりの広告費用(顧客獲得単価)

CPAは「Cost Per Acquisition」または「Cost Per Action」の頭文字をとった略語です。日本語では「顧客獲得単価」と呼ばれます。

Web広告では目標アクション(新規獲得、資料請求、問い合わせなどコンバージョンを意味する)を1件獲得するのに費やした獲得コストを意味します。

つまり、広告を出稿する際に投資した資料に対して、どの程度の顧客単価で見込み顧客を獲得しているかを判断する指標となります。

どんなにコンバージョン数が多くても、1件に対する獲得コストがとても高い場合、獲得すればする程赤字になるかもしれません。正しくCPAを活用し、費用対効果を検証しましょう。

計算式は以下の通りです。

CPA=費用(広告費など) ÷ 獲得した成果件数(コンバージョン件数)

例えば、10,000円の広告費をかけて、5名のお客様を獲得できた場合、CPAは2,000円(10,000円 ÷ 5)となります。つまり、1人あたり2,000円のコストが掛かっているということになります。

許容CPAとは?

許容CPAとは、広告費用を考慮したうえで損益分岐点となる数値のことです。

簡単にいうと、1件の成果をするために、かけることができる上限の費用です。会社によっては限界CPAと呼ぶこともあります。

この許容CPAラインを超えて獲得した場合、その広告は投資対効果としてはマイナスと判断をされます。

許容CPAの決め方

では許容CPAはどのように設定するのでしょうか?
ここでは2つの視点で計算することをオススメします。

まず1つ目は1回の購入で赤字にならない金額にするケース。
例えば、下記のような商品だった場合、許容CPAは2,500円になります。

商品平均購入単価:5,000円、利益率50%、利益額2,500円

許容CPA2,500円で獲得できれば赤字にはならない。これは正解でもあり、誤りでもあるといえます。なぜならLTV観点での計算ができていないため、機会損失が発生している可能性があるのです。

LTVを加味することでより大きく売上・利益を伸ばすチャンスを逃しているかもしれません。

続いては2つ目がLTV視点で許容CPAを計算してみましょう。LTVを加味することで許容CPAを高く設定することが可能です。
例えば、下記のような商品LTVだった場合、許容CPAは12,500円になります。

商品平均購入単価:5,000円、平均購入回数5回、利益率50%、利益額12,500円

LTVで計算した方が約5倍になります。

LTVを許容CPAに設定することで、出稿可能な広告メニューが増えたり、ユーザー獲得予算を増やすことができます。逆に、LTVを加味せずにCPAの上限設定をすると、出稿できる広告の選択肢が狭まることで、CPAに見合う広告を選ぶことができなくなり、ユーザー獲得が難しくなってしまいます。

ネット広告業界のLTV活用事例

LTVを計算する際に注意したいのは、購入者の属性(広告メニューなら媒体別)にみることです。同じ商品を購入しても購入者の属性(年代、性別)、セグメントによってLTVが異なることがあります。

ネット広告では媒体別にLTVを確認することが多いです。
例えば、リスティング広告経由とTwitter広告経由ではユーザーの質が違うのでLTVも別々にみることをオススメします。

一般的にはリスティング広告は顕在層になるので、LTVは高い傾向にあります。ネット広告全体ではLTV30,000円でも、リスティング経由で流入してきた顧客の場合は40,000円、Twitter経由では20,000円といったことがあります。

この場合、許容CPI30,000円で設定した場合、Twitter広告単体では-10,000円になってしまうので注意が必要です。ネット広告全体のLTVで管理していくか、媒体別に管理していくか、方針を決めておくことをオススメします。

LTV運用のメリット、デメリット

LTV運用のメリット

利益の安定化が狙える

LTVが高い状態というのは、一人あたりの顧客がもたらす利益が高い状態です。つまり、顧客が複数商品や長期間商品を購入している状態であり、リピーターになっています。一人の顧客が何度も購入してくれることで、常に新規獲得を追う必要性が下がり利益が安定します。

攻めの投資ができ、機会損失がなくなる

前述の通り、LTVを加味したCPA設定した方が投資できる金額が大きくなります。
LTVを下回るコストで1人の顧客を獲得することができれば、利益はどんどん増えていきます。

もし、商品一回購入だけの利益額でCPAを試算してしまうと、投資できるCPA単価が低くなるので、本当なら獲得できる顧客を逃すことになります。競合他社に顧客を取られてしまわないためには、LTVを試算して、継続的に投資できる状態をつくる必要があります。

既存顧客とのエンゲージメントの指標になる

LTVは継続的な利用が見込める商品であれば高くなるので、LTVを追うことで顧客との関係維持の指標にも活用できます。

例えば毎月購入者を1つのセグメントにし、月単位でLTVを管理していくことで、LTVのトレンドを追うことができます。もしLTVが下がっていたら「商品の獲得手法に問題があるか」「商品の魅力が下がり購入頻度が下がっているか」売上やリピート・期間を合わせた複合的な指標であるLTVを追うことで、顧客状態を知る材料にもなります。

また、LTV向上の視点が加わることで、既存顧客を大切にする思想が生まれ、カスタマーサポートを大事にしたり、顧客視点が加わるメリットもあります。

LTV運用のデメリット

無駄な投資に気づきにくい

LTVの管理方法によっては無題な投資に気づかず、収益力低下に繋がるケースもあります。

例えばネット広告全体のLTVを基準に運用した場合、広告全体ではLTV>CPAが成り立っていても、媒体単位でLTVをみていくとLTV<CPAの媒体もあるかもしれません。

ネット広告全体のLTV運用では、収益性の低い媒体は発見が難しく、無駄な投資が続くこともあります。そのためにもLTV運用ルールを最初に決めておくことが大切です。ネット全体LTVがCPAを上回っていれば投資を続けるのか、それとも媒体単位でLTVをみてより細かく運用をしていくのか、ルール作りをしておきましょう。

LTVは常に変動。運用の手間や仕組み構築が必要

LTVは固定化されることはありません。毎月獲得した顧客LTVを計算していくには、獲得月の顧客を知り、購入回数・購入単価・購入期間など各指標を追っていくため、仕組みを整える必要があります。

手動計算だと労力が掛かりすぎ、途中で更新が停止されてLTV運用が中止される可能性もあるので、自動ツールなどの導入がオススメです。

LTV運用のまとめ

今回はLTVの計算方法や運用方法を解説しました。

業界によってLTVの計算方法は異なりますが、シンプルに考えると「LTV=総売上÷購入者数」になるので、どのような業界でも自分でLTVを出すことができるはずです。

また許容CPAを設けることで、適切に利益運用(投資)もできることをお伝えしてきました。
LTVは事業にとって大事な指標の1つです。

この機会に一度見直しを行ってみてはいかがでしょうか。

コメント

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